朝夕涼しくなり、外での運動が心地よい季節になりました。ジョギングやヨガは日本人にも馴染みがありますが、太極拳・気功を体験したことがある方は少ないのではないでしょうか。仏教天台宗と道教南宗発祥の地として知られる中国浙江省の天台山に位置する「星野リゾート　嘉助天台」では毎朝、気功「八段錦（はちだんきん）」のアクティビティを開催しています。天台山の朝は、美しい鳥のさえずりと共に穏やかに始まります。今回は、凛とした空気の中で身体を目覚めさせる八段錦の体験を紹介します。

八段錦
八段錦は太極拳・気功の一種です。太極拳は、道教や陰陽五行思想を取り入れて編み出されたとされています。気功とは、呼吸法と体操によって体内の気血の循環を良くし、健康維持を図るものです。気功では、調身（姿勢を調える）、調息（呼吸を調える）、調心（心と意識を調える）の3要素が大切とされています。八段錦は、北宋時代に発祥し800年以上の歴史を持ち、病気の予防や筋肉・骨の強化のための健康法として中国では広く親しまれています。名前の通り、その動作は全部で8段階に分かれています。また「錦（きん）」とは色とりどりに美しく豪華であることを意味し、一連の動作が伸びやかで優美であることからそう名付けられています。

ゆったりと身体を目覚めさせる優雅な朝
八段錦には立ったまま行う「立位」と椅子に座って行う「座位」のスタイルがあります。嘉助天台で行うのは、穏やかな動作で、特別な道具が不要である「立位」です。シンプルで学びやすく、老若男女問わず誰でも参加できます。本アクティビティは、棚田のように広がる茶畑を見下ろす「養雲池（よううんいけ）」で行われます。朝日が差し込む美しい山々を遠くに眺め、新鮮な空気を吸いながら、ゆったりと身体を動かしていきます。標高800メートルの山あいに佇む嘉助天台で、優雅な時間を過ごしてみてはいかがでしょうか。

「八段錦」概要
期間 ：毎日
時間 ：8:00~8:30
料金 ：無料
場所 ：ホテル内「養雲池（よううんいけ）」
予約 ：要
＊宿泊者限定

参考：
藤井陽江（2003）.「中国伝統養生法気功「八段錦」（ba duan jin）の普及について―日本国への場合―」.
沈再文（2003）.「「気功」その歴史と現代医学における役割」『人体科学』.

嘉助天台
天台宗発祥の地として知られる中国有数の観光地にあり、美しい山々や古典庭園を望む客室と、日本人料理長による、中国の食文化と日本の四季・美感・おもてなしの心を融合させた料理が特徴の星野リゾートが中国大陸で初めて運営するホテルです。嘉助天台の周辺には、石梁（せきりょう）の滝や華頂山（かちょうさん）国家森林公園、瓊台仙谷（けいだいせんごく）などの景勝地が多くある風光明媚な土地です。
中国浙江省台州市天台県石梁鎮集雲村蓮花路1号―10（緑城蓮花小鎮内）／客室数103室
URL：http://www.kasuketiantai.com/#/ja/home