プロローグ

ひょんなことから始まった‘ユーグレナ探訪’の視察旅。ユーグレナ代表取締役社長の出雲充氏、星野リゾート代表の星野佳路氏、多忙を極める企業のトップ両氏との旅を経て、お二人の貴重な対談へと結びつきました。その理由とは、今回、旅に同行したホテルジャーナリスト、せきねきょうこが、ある時、星野氏に語ったたったひと言がすべての発端となったからでした。
その時の会話はこうでした。「ホテルの記事を書くにあたり、ホテル自体の環境問題を取材し連載や特集を長年にわたり書き続けています。それにもかかわらず、自身はCO2排出量の多い飛行機で世界中を飛んでいる。何とかならないのか…というのが長年のジレンマなのです」と。
この言葉が、星野氏の高速回転の頭脳にピンと響きました。「もう少し待てば、化石燃料じゃない燃料で飛行機が飛びますよ。今もすでに飛んでる、ユーグレナって知らない?」と星野氏。それを知らずにいた私は、目から鱗でした。
18世紀に始まった産業革命以降、世界中での化石燃料の使用量は増加の一途を辿り、21世紀を迎えた今もなお、温室効果ガス(CO2)の大気中の濃度は限界を超える勢いで増え続けています。様々なことを学べば学ぶほど、そして現実を知れば知るほど、地球温暖化への危機感が募っています。

ユーグレナについて

ユーグレナ(和名:ミドリムシ)の名前はさすがに聞いたことがありましたが、「ムシ」という名で距離を置いていたことも事実。それが飛行機を飛ばすバイオ燃料の原料の一部となっているとは想像もしませんでした。
今回の「旅の効能」は、「最短に、ベストな方法で、ユーグレナをより確実に知ろう」という配慮による企画でした。そこで、ユーグレナ社の代表取締役社長、出雲氏ご本人から直接にお話を伺おうという、何とも贅沢な、しかし最良の発案で始まったのです。

バイオ燃料製造実証プラントで、見学前に最初の一歩
‘ユーグレナ’について出雲氏自らの説明。

2021年10月21日、ユーグレナ初心者マークの私や同行者たちは、星野代表と共に、まず神奈川県横浜市鶴見区にあるバイオジェット・ディーゼル燃料製造実証プラント(以下、バイオ燃料製造実証プラント)を見学することに。「ユーグレナとは?」という基礎から学ぶ機会を得ました。

同じくバイオ燃料製造実証プラント内会議室にて真面目な勉強会。

続いて、実際にバイオ燃料を製造しているプラントを見学。出雲氏は、日本をバイオ燃料先進国にすることを目標とし『GREEN OIL JAPAN』を宣言していました。実際に、2020年にはバイオディーゼル燃料の供給がスタートし、そして2021年にはバイオジェット燃料を使用したフライトの実現が達成され、宣言通りに進行していることも知りました。

バイオ燃料製造実証プラントの視察。実証プラント工場長の森山宏一郎氏の丁寧な説明に興味津々。

旅の第二ステージとして、私たち一行は沖縄の石垣島へと飛び、「ユーグレナ社の生産技術研究所」を見学。59種類の栄養素を持つスーパーフード「石垣島ユーグレナ」について学びました。

石垣島にあるユーグレナ社の生産技術研究所にて、右から 星野代表、せきね、生産技術研究所長の中野良平氏。星野代表はユーグレナに敬意を表して緑色の装い。

ユーグレナは、植物と動物の両方の性質を持ち、59種もの栄養素を含む、例えばワカメのような、衝撃的な優等生の‘藻’であることを記憶に留めました。
その後、舞台を宿泊地「星のや竹富島」に移し、出雲氏と星野氏のトップ対談が始まります。

「星のや竹富島」の客室棟内、リビングルームで和やかに始まった対談風景。

環境に配慮したリゾートホテルや温泉旅館を構築・拡大し観光産業を牽引する星野リゾート代表星野氏、そして、ユーグレナで未来を変えようとするユーグレナ社社長 出雲氏、両氏のユーモア溢れる貴重な対談は、地球規模で未来環境を変えたいと願う両氏の真摯な本音が披露されます。